今週で春学期の講義15回分が終わり、公務員養成プログラム(専門演習)も、昨日が最後の講義でした。
このプログラムでは、春学期は、公務員試験の筆記テストの基礎科目となる文章理解問題の対策を徹底的に行いました。
遡ること半年前の初回講義時、履修生の20名に現在の実力を図るために、地方上級試験や国家公務員一般職試験の過去問題を10問解いてもらいました。
そのときの受講生20名の平均正解率は40%にも満たず、なかなか厳しい状況でした。
そこでこの講義では、文章理解問題の基本的なところから取り組みました!
具体的に、まずは文章の読み方について教えました。
大前提として、公務員試験の文章理解問題の形式は、「要旨把握」「内容把握」「空欄補充」「文章整序」の4種類があります。
空欄補充の問題では単語を知っていれば解ける問題もありますが、いずれの問題形式であっても、文章の内容を素早く理解することが重要であることはおおむね共通しています。
具体的には、公務員試験で出題される問題文は、例えば、評論の場合「一般論」と、それに対する「筆者独自の主張」という対比で文章が展開されることがあります。
このような文章の対比構造のパターンを覚えるだけで、かなり早く文章を読めるようになります。
次に重要なポイントとして、接続詞と指示語について、あらためて教えました。
接続詞や指示語は小学校や中学校の国語の時間でも当然習いますが、以外に大人であっても、そこを意識したり、正しく使えている人は多くはない印象です。
私自身も、会話の中ではどうしても誤った使い方をしてしまうことがあります。それくらい接続詞や指示語といった日本語の文法は難しいです。
しかしながら、この接続詞や指示語を正しくとらえて文章を読むだけで、公務員試験の文章理解の問題は簡単に解けてしまうこともあるのです。
文章の中に、4行前にあるような「しかしながら、」といった逆接の接続語がでてきた場合は、そのあとは筆者の重要な主張が出てくる可能性が高くなります。
このように接続詞に着目するだけで、文章の趣旨を早く正確につかめるようになるわけです。
以上のように、文章の読み方の基本を確認し、その後に選択肢の吟味の仕方などのテクニックを教えたうえで、問題を繰り返すといった授業の方式をとることで、文章理解問題の正解率の向上が見込めるものと考えました。
その結果、どうだったかというと・・・。
半年後の学生の文章理解問題の正解率は確実に向上し、最終講義での確認テスト10問(最初の講義と同レベルの問題)では、履修者の平均正解率が約60%近くまで向上しました。公務員試験の筆記試験の合格ボーダーが55%から60%ですので、十分に本番で戦えるレベルにはなったのではないかと思います。そして中には正解率が100%(10問中10問正解)の学生もいました。
さらに、何より嬉しかったのが、最初に履修した20名全員が、最後まで講義を受講してくれたことです。
私が担当する講義では、おおよそ1割から2割くらいの履修者が、途中から講義に来なくなる(☚もちろん、私の講義がつまらないということも原因としてあります)のですが、この公務員キャリアプログラムは全員が最後まで受講してくれました。
ここまで私の講義にしっかり参加してくれるとは思ってもみませんでした。
公務員試験の本番まであと一年、全員が第一希望に合格することを願ってやみません。